今回のテーマは「テイクアウト販売の注意点」について
6月に入り気温も湿度も上昇している中、この時期飲食店が特に注意しなくてはいけないのが
食中毒の予防対策
特に、コロナ渦で需要が伸び対応している店舗も多い「テイクアウト」ですが
6月~9月の時期は食中毒リスクが特に高まります。
テイクアウト販売を行っている店舗ではいつも以上に下記の注意事項をしっかりと確認し、食中毒の予防対策や衛生管理に努めましょう。
テイクアウト販売時の注意事項
いつも注意をして販売を行っている店舗であっても再度確認してみましょう!
- 食品は、中心温度まで十分に加熱しましょう
- 注文を受けてから調理、販売するようにしましょう
- 消費期限を伝え、早めに食べてもらうよう伝えましょう
- ピーク時に備えて作りおきを行い販売する場合は、保管温度(温製65℃以上、冷製10℃以下)を維持し、消費期限の管理を行いましょう。
- 宅配(デリバリー)の際も、保管温度に注意しましょう
- 食物アレルゲン、保存方法などの情報も伝えましょう
- スタッフに体調不良がある場合は、調理、販売業務に従事させないようにしましょう
- 調理人の人数や設備を踏まえ、調理能力を越えた注文は受けないようにしましょう
- 販売見込みの量を越える食品を容器包装に入れ、店舗で陳列販売をする場合や、店舗以外の場所で販売する場合は、名称、原材料名、添加物、消費期限、製造者などの表示が必用になります。申請許可範囲内での販売方法か確認しましょう
追加許可申請が必要かも?
飲食店営業以外の許可が必用になる可能性がある事例があります。
確認していきましょう!
- 【菓子製造業】お菓子やパンを作って販売する場合
- 【乳類販売業】パックに入った牛乳や乳飲料を販売する場合
- 【食肉販売業、魚介類販売業】調理前に食肉や鮮魚介類を販売する場合(鍋セットなど他の食品と組み合わせる場合もです)
- 【そうざい製造業】おかずなどの副食物を通信販売する場合(店頭のみで販売する場合は、飲食店営業で可能です)
- 【麺類製造業】調理前の自家製麺を販売する場合
- 【食肉製品製造業】自家製チャーシューなどの食肉製造を販売する場合(チャーシュー等を単体で販売する場合に必要です。チャーシューメンなど他の原材料と一緒に調理したメニューは飲食店営業の許可でテイクアウト可能です。)
該当する項目があった場合は、お近くの保健所へ一度相談、確認してみましょう。
よくあるQ&A
Q1. ランチやディナーで提供している店舗で製造したケーキと同じものをレジ横や店頭でテイクアウト販売することはできますか?
A1. はい。できます。その場合、飲食店営業の許可に加えて、菓子製造業の許可が必要です。
Q2. 菓子製造業の許可を取得するために飲食店営業許可を取得時の基準の他、特別必要なことはありますか?
A2. いいえ。基本的には調理場等の構造の変更は特に必要なく、一般的には飲食店営業の許可基準を満たしていれば許可を取得することは可能です。
Q3. テイクアウト販売で店頭(店内)に陳列して販売をする際、法令に基づく表示をしないと違法ですか?
A3. いいえ。法令に基づく表示は必要ありませんが、アレルギー物質や消費期限、保存方法などに関する情報は消費者に提供してください。
Q4. 店外で販売する場合はどうなりますか?
A4. 店外で販売する際は、法令に基づく表示が必用になります。注意しましょう。
※法令に基づく表示についての参考リーフレットをご紹介しておきます。
下記は東京都福祉保健局のホームページに掲載されている東京都で作成されたリーフレットですが
各都道府県や、お近くの管轄保健所ホームページなどでも掲載されています。
一度確認しておきましょう。
大切です! 食品表示
食品表示法 食品表示基準手引片<統合版>(PDF:4,360KB)<令和2年11月改訂>
東京都 福祉保健局ホームページ 食品衛生の窓 より
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/hyouji/
今から始めるための注意点
これからテイクアウトやデリバリーをスタートしようと検討の方へ
衛生管理を徹底し、食中毒に注意しましょう!
普段テイクアウトを行っている店舗であっても6月~9月の間はテイクアウトを中止、またはメニューを見直す店舗が多くあります。
これは、6月~9月の時期が一年を通して見たとき食中毒の発生リスクがとても高くなる時期だからです。
食中毒菌は調理済みの食品を20℃~50℃の温度帯に一定時間放置すると繁殖することが知られています。
そのため、日中の外気の温度が20℃を越え始める6月頃からが食中毒の発生リスクは急速に高まります。
【テイクアウト・デリバリー✅Check Point】
✅メニューはテイクアウトやデリバリーに適したものですか?
- 鮮魚介類などの生ものの提供は避けましょう
- 水分はよく切り、よく煮詰める、しっかりと加熱をおこないましょう
✅容器はテイクアウトやデリバリーに適していますか?
- 容器は浅いものに小分けするなど傷みにくい工夫をしましょう
✅お店の規模や調理能力に見合った提供数ですか?
- 容器詰めは、清潔な場所でおこないましょう
- 過剰な見込み調理や、容器詰めはやめておきましょう
- 注文を受けてから調理するなど、喫食までの時間を短くする工夫をしましょう
✅加熱が必要な食品は、中心部まで加熱していますか?
- 半熟卵、レアなお肉料理は、テイクアウト、デリバリーでの提供は控えましょう
✅保冷剤、クーラーボックス、冷蔵庫、温蔵庫などを活用していますか?
- 調理した食品は速やかに10℃以下まで冷ますか、65℃以上で保管しましょう
- 食中毒菌は、20℃~50℃の温度帯でよく増えます
- 冷製品には保冷剤をつけるなどして対策しましょう
✅速やかに食べていただけるよう、お客さんにアナウンスしていますか?
- 購入した食品は速やかに食べるよう、口頭または容器にシールを貼るなどして、お客さんに伝えましょう。
安全に、安心してお客様に召し上がっていただけるように
日頃から衛生管理は十分に注意し、特に高温多湿になり食中毒菌の増えやすい時期は、いつも以上に注意とリスク管理をおこないましょう。
また、
テイクアウト以上に宅配時(デリバリー)のリスクは高くなる為、注意しましょう。
宅配(デリバリー)は更に注意が必要
【配達時の注意事項】
- 温製料理は65℃以上を維持しましょう
- 冷製料理は10℃以下を維持しましょう
- 調理完成から喫食までは2時間以内で食べられるように、速やかに配達をしましょう
普段からほとんどの店舗では日々行っていることかもしれません。
しかし、高温多湿のシーズンに入ったタイミングの今、
コロナ渦の現状で店舗の経営維持の為に多くの店舗で人員が減っていると聞きます。
長引く自粛要請の慣れからか、ワクチン接が普及し出し、客足が少しづつ戻って来た飲食店も多いかもしれません。
そんな時、瞬間的な繁忙時や、キャパオーバーのため事故が起こりやすくなります。
筆者もそうですが、コロナ過以前の繁忙時と同様の働き方がすぐにできるかと問われると
正直ブランクから不安要素を感じてしまいます。
また、慣れないチームスタッフで再開をする店舗もあるでしょう。
役割を再構築していくことは容易ではありません。
このページを読んでいただいた飲食店従事者の皆様
これまで以上にこの6月~9月の食中毒発生リスクが高まる期間は十分に注意を行ってください。
Gland Soleilでは衛生管理計画の策定や各種記録表の作成などのサポートも行っております。
個人のお客様からのお問い合わせも受け付けております。
お困りなことがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
これからも飲食が必要とされ愛される業界であるために
Gland Soleilのコンサルタントは「食」を通してヒト・モノ・コトを繋ぐInnovatarでありたいと考えます。