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飲食店のアレルギー対応について【前編】

  • 2021年4月18日
  • 2021年10月26日
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今回のテーマは「アレルギー対応」について

飲食店の現場で働く方の多くは、対応の要望が多くなってきている、職場の対応マニュアルが多くなってきていると感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

筆者もここ数年でアレルギー対応の問い合わせや対応範囲、種類が多くなってきていると感じている1人です。

コロナ過前の例にはなりますが

開業準備を進め、メニュー表の作成に取り掛かる時にあるクライアント様から

「アレルギー表記って絶対なんですか?」

「日替わりで変えたりしたいのですが、その場合どうすればいいですか?」

とのご質問をいただきました。

まず表示についての結論から

対面販売や店頭での量り売り、飲食店等で提供される食品には、表示の義務や推奨は現時点(2021年4月)ではありません。

しかし、健康被害防止のために、食物アレルギーのあるお客様に対する情報提供の充実が求められています。

日替わりメニューでの対応方法では、出来るだけ使用している食材が分かるようなメニュー名にしたり

説明コメントを入れたメニュー表作成、テーブル上ポップに明記する対応が良いでしょう。

※食物アレルギーをお持ちのお客様はスタップまでお申し付けください。

と記載するか、事前にスタッフが日替わりの内容を理解し、オーダーを取る際に確認アナウンスを行うことで対応は可能であることを提案させていただきました。

当たり前のことだと思う方も多いでしょう。

しかし、飲食店で働くスタッフの中でアレルギー対応の知識を持っている方は実際少ないことが現実です。

そこで、ここからは確認の為にも食物アレルギーの基礎知識についてです。

※あくまで基本知識、最低限知っておくと良いと筆者が考える内容です。

では、

日本も含め世界中で食物アレルギーをもつ方は増加傾向にあります。

食物アレルギーのあるお客様が飲食店を安心して利用できるよう、近年特に飲食店における食物アレルギー対策への取り組みが求められています。

食物アレルギーの原因となる食物

アレルギーの原因となる食物は人により異なります。

また同じ人でも年齢により食べられるようになったり、逆に突然発症してしまい今までで食べていた食物がある日突然アレルギーと診断され食べることに制限が出来てしまう場合もあります。

筆者の知人にケーキや甘いものが大好きな方がいつも通り大好きなショートケーキを食べ、その後ジョギングをしていると突然かゆみと湿疹が出て病院を受診したところ「小麦アレルギー」だったことが判明した方がいます。

「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」と診断を受けたと聞きました。

食物アレルギーには、運動が加わることによって症状が現れるタイプがあり、これが知人の例です。

アレルギーの原因となる食物を食べるだけでは発症しないのに、食物を取った後に運動することで症状がでてくるタイプだそうです。

食物アレルギーについては個人差が大変大きく個別対応が困難な場合もあることは確かです。

そのため、曖昧な知識のもと対応するとお客様の重大な健康被害に繋がる可能性もあります。

原因となる食物には、子供では、鶏卵・牛乳・小麦のアレルギーが多く、また成人してから甲殻類・小麦のアレルギーを発症する人が増えています。

食物アレルギーの原因となる食品の表示について(食品表示法)

現在食品表示法では、食物アレルギーの原因食品として28品目を指定しています。

「特定原材料」

エビ・カニ・小麦・そば・卵・乳・落花生

特に患者数が多く、症状の重篤度が高い7品目が指定されており加工食品(あらかじめ容器包装に入れられたもの)に使用される場合は表示することが義務付けられています。

アーモンド・あわび・いか・いくら・オレンジ・カシューナッツ・キウイフルーツ・牛肉・くるみ・ごま・さけ・さば・大豆・鶏肉・バナナ・鶏肉・まつたけ・もも・やまいも・りんご・ゼラチン

これらの21品目については、可能な限り表示することが推奨されています。

食物アレルギーで起こる症状について

症状においても非常に多彩で、人により異なるほか食べる量によって症状が異なったり、知人の例のように行動により程度が異なります。

中でも最も多い症状は皮膚症状です。

症状は分単位でとても急速に進行するため、発症時には迅速な対応が求められます。

症状がいくつか同時に出ることをアナフラキシーと呼び、全身状態が急速に悪くなることをアナフラキシーショックといいます。

日本でも食物アレルギーによるアナフラキシーショックでの死亡事例が発生しています。

皮膚の症状じんましん、かゆみ、赤くなる
呼吸器の症状のどが締め付けられる感じ
のどがむくむ感じ、声がかれる
咳、息苦しさ
粘膜の症状目:充血、かゆみ、まぶたの腫れ
鼻:くしゃみ、鼻水、鼻づまり
口:口の中や舌の違和感や腫れ、のどのかゆみ
消化器の症状腹痛、下痢、おう吐
全身の症状ぐったりする、意識もうろう、意識がなくなる

飲食店においてお客様が食物アレルギー発症時の対応

お客様が食物アレルギーと思われる症状を起こしたら、まずは緊急性が高いアレルギー症状があるか判断します。

症状がいくつか同時に出るアナフラキシーの場合は緊急性が高いです。

全身状態が急速に悪くなるアナフラキシーショックを起こす可能背が高くなります。

緊急性が高い症状がある場合や、症状が急変した時にはためらわずに救急車を手配します。

お客様がエピペン(R)(アドレナリン自己注射薬)や内服薬を持っている場合は、使用できるように配慮しましょう。

症状が軽ければ安静にできる場所を提供し、症状の急変にそなえましょう。

こうした事態を想定して事前に店舗内で責任者を決め日頃から訓練を行うことは、慌てず対応することが出来るので有効的です。

緊急時の対応については

東京都福祉保健局ホームページにもマニュアルが公開されています。ぜひ活用してみてください。

東京都福祉保健局ホームページ

「緊急時対応(食物アレルギー)」

東京都アレルギー情報navi. (tokyo.lg.jp)

※東京都以外でも店舗のお近くの保健所や福祉保健局のホームページにて各種情報掲示されていますので一度確認してみてください。

食物アレルギー事故を防止するために

事前の準備

・店舗のルールを決めましょう。

対応できる範囲の確認、対応食材、混入管理(コンタミまで)、対応方法など

・すべてのスタッフが食物アレルギーについて正しく理解し、店舗のルールに基づいて対応しましょう。

・提供料理にはどんな食材を使っているか、再審で詳しい情報を正確に把握しましょう。

・お客様がアレルギー原因食材に関する情報を簡単に誤解なく知ることが出来るように、メニュー表や掲示、接客方法などを工夫しましょう。

・食材情報の管理やスタッフへの教育、事故時の対応などを総括する責任者を決めましょう。

接客時・調理時

・店舗の食物アレルギー対応ルールを正確に伝えましょう。

あいまい、不正確な対応は重大な事故に繋がるので対応できない場合にはそのことをはっきりと伝えましょう。

・お客様の食物アレルギーを把握しましょう。

ヒアリングシートを作っておくことも有効的です。

・質問があった時は、使用食材について最新で正確な情報に基づいた説明をしましょう。

情報が最新でない、不正確な可能性がある場合には、あいまいな回答をせずに店舗責任者が対応するようにしましょう。

・アレルギー原因食材(コンタミネーション)に注意をしましょう。

混入の可能性についてはメニュー表への記載や口頭説明により必ずお客様に伝えましょう。

・アレルギー対応マニュアルを作成し、お客様と接客係、接客係と調理係との認識のズレや対応の相違が発生しないようにマニュアルを活用してコミュニケーションを徹底しましょう。

食物アレルギー事故防止 Point3!

  • Point1 使用食材について最新で正確な情報を提供する
  • Point2 質問に対してあいまいな回答をしない
  • Point3 アレルゲンの混入に注意し、混入の可能性について必ずお客様に伝える

アレルギー対応 ヒアリングシート

・ヒアリングシートの活用は対お客様だけではなくスタッフ間のコミュニケーションツールとして大変有効的です

・お客様自身にアレルギーじょくざいを記入していただき間違いないように確認することが出来ます。

・該当する食材が含まれていないかメニューの紹介や、該当する食材を除去できるメニューについて文章を指差しすることでお客様に伝えることができます。

ここでは東京都福祉保健局HPよりアレルギーコミュニケーションシートのURLをご紹介しておきます。

飲食店向けアレルギー対策に関するリーフレット・アレルギーコミュニケーションシート

上記のコミュニケーションシートの文章は日本語、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語の順に記載してあり、これらの言語を理解できない方ともコミュニケーションが取れるようピクトグラム(絵文字)も使用してあります。

その他言語に対応したコミュニケーションシートも掲載してあり、Gland Solelでも最新の情報、オリジナルヒアリングシート、マニュアル作成の際は参考にしています。

無料で最新の情報が得られてとてもお得です!ぜひ活用してみてください。

その他にも東京都福祉保健局のホームページでは

東京都内で飲食店開業をお考えのオーナー様や製造業を検討の事業者様にとって大変有効的な情報や相談窓口が設置されています。

是非活用してみてください。

東京都以外の地域の方にとっても参考になる情報がたくさんあります。

また店舗最寄りの保健所ホームページなどでも地域に適した情報が配信されています。

まずは行政の情報を活用していただき、さらにサポートをご希望の方はぜひGland Soleilにご相談ください。

よりクライアント様それぞれの状況に応じたサポートを提案させていただきます。

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飲食店のアレルギー対応について【後編】 では実際にあった例を参考に対応方法と注意点について

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